INSPIRATION

KOLUMBA Kunstmuseum

2015.08.27 UP DATE


ずっと訪れてみたかった場所、ドイツはケルンにある聖コロンバ教会ケルン大司教区美術館。
1階にあるローマ時代の遺跡を展示した空間へ入ると、外壁の小さな穴から無数の光が静かに注ぎ込む。
その光と陰が作り出す神秘的な空間は、この建築のひとつの魅力のように感じた。壁の一部は戦争で壊れた教会を取り込んで構成され、残されている古いレンガ積みの壁に、一つだけポツンと穴があいたままになっていた。そこからさしこむ光を見て、この穴が建築を考える一つの切っ掛けになったのかな~、などど一人勝手な妄想をしてみた。
館内へと足をすすめると、外から差し込む光が徐々に展示室全体に影響を及ぼすような構成になっており、どの展示室も光と陰が見事に空間やアートと調和していた。
先へ進むほどに神聖で宗教的な作品が展示され、最後の展示室の窓からは、作品越しに大聖堂を眺めることができる。
土に近い陰と天に近い光を、建築と展示物を融合して表現しているのかなとも勝手に妄想。。。
細部に目をやると、溜め息が出るほど拘り抜いたディティールでつくられ、自然光のとりいれかたや、カーテンのやわらかさ、窓からみえる街の景色により、凛としながらも優しい空間に仕上がっていた。またいつか訪ねたい、大好きな美術館のひとつ。 

 


WROTE: Yumika Yoshida(Designer)

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